突然の店舗建て替え提案。「借金まみれの私たちを救ってくれたのは’’家族’’でした。」〈前編〉

家族経営のリアル

2014年に開業したお店、当時の宣伝手段はホットペッパーグルメ、X(当時はTwitter)、Facebook

特にホットペッパーは、正直“集客の命綱”みたいな存在でした。

ホットペッパーグルメは、アプリで簡単に利用したいお店を、電話無しで簡単に予約できるスーパー便利ツール!お店によってお得なクーポンがあったり、ホットペッパーで貯まったポイントを使えば、割引サービスも受けられる!

大体のお店はホットペッパー掲載されている。お店の情報の掲載をお願いするには、エリア担当の人が定期的にお店に訪問し、集客や売上対策等の色んな提案をしてくれた上で、Webサイトやアプリにお得なクーポン付きのお店情報を掲載してくれていた。もちろんタダではない。

リアルな話、ひと月約10万…。決して安くもない。一律ではなく、グレードがあって、発行するクーポンの種類や、掲載したときにトップにお店の情報が来るようにする設定があると、金額がグッと上がる…。

大学周辺は居酒屋激戦区、やっぱり少しでもたくさん目にとまってもらえるようにグレードはそこそこいいのを契約していた。

うちのお店は駅も近く大学も近くにあり、大人のお客さんよりも、当時は学生さんの利用が圧倒的に多かった。大学生は学科やサークル等、いろんなイベントごとになるととにかく飲み会をするのが学生時代の青春といったところなのかな。その時はとにかく学生の団体利用が多く、集客にはこれといって困ってなかった。今思えば、“黙っててもお客さんは来る”って、ちょっと甘い考えだったなって思う。勝手に『繁盛店』という妄想の中にいたのかもしれない。

売り上げもそこそこあったはずなのに、借金まみれになってしまった原因の一つは、食材や酒屋諸々の業者ごとに請求額振り分けをせず、ちゃんとした期限に支払いをしてなかったこと。二つ目は売上金は売上金のまま、手元に保管して必要な時にそこから抜いて支払いをしていた。だから、今売上金がいくらあるのかも把握していなかった。帳面は経理に渡す用だけという感じでつけているだけだった。そして一番の原因になったもの、それは交友費を自由に使ってしまっていたこと。その時はまだ結婚もしてなかったし子供ももちろん居なかったから、同居はしていても生活は自由だった。当時のお店の営業時間は18:00〜27:00、夕方起きて、お店の買い出しして、仕事して、仕事終わったら飲みに行って、帰って寝て…。家には寝に帰ってるだけみたいなもんだったな。休みの日だって夕方まで寝て、起きてシャワーして飲みに行ってた。だから、家族と話すことなんてほとんどなかったし、お店の状況も家族は何も知らなかった。

その結果、気づけば取り返しがつかなくなる一歩手前まで来ていた。

支払い分を義両親から借りるようになって、滞ってる分はいくらあるのか聞かれ正直に答えた。

それからしばらく経たないうちだったかな、義母から「店の土地を買った」と唐突に言われた。

「え!?」急に言われた内容が凄すぎて、すぐには頭に入ってこなかった。

建物も古くなってきたし、内側だけ直していっても限界はある。土地を自分達のものにすればいくらでも好きなようにできる、だからお店も建て替えないか?それに、支払いだってまだたくさん残ってるんだから、全部一回リセットしようって多額な借金までしてお店を守ってくれた。

自分達の店なのに頼ってしまって、恥ずかしくて情けなかった。でも頼るしかなかった。

ただダラダラと仕事して経営も泥沼だった私達に、すべての業者の支払いをゼロにし、お店を建て替えて、再スタートするきっかけを作ってくださった義両親に本当に感謝しています。

こんな恥ずかしくて人様に話せるような内容じゃないけど、経営していく中であまり経験できることではないと思う。でも、もしかしたらそのうち同じような試練にぶち当たる人もいるかもしれない。同じような経験をしている人もいるかもしれない。だからここでたくさん声に出していきたいと思う。

まだまだリアルな話、お付き合いしていただけるでしょうか?

今回はこの辺で。

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